「アイアンはライ角が命」という言葉が存在するくらい、ライ角はアイアンにとって大切な要素です。
アイアンのみならず、ゴルフクラブには適正なライ角があり、人によって適正な角度は違います。
自分に合ったライ角を知ることは、ボールの方向性を安定させ、飛距離アップにつながります。ぜひゴルフ初心者にも知ってほしい知識です。
この記事では、以下の3つについて解説します。
- ライ角に関するメリット
- ライ角調整にかかる料金
- ライ角を調整する際の注意点
自分でライ角を確認する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもライ角とは?
ライ角とは、クラブのソール面を地面に平行に置いて構えたとき、シャフトと地面の間に生じる角度のことです。
一般的に、ヘッドのトゥ側(先端部分)が2~3㎜浮いた状態が、適正な角度です。
そして、適正な角度より大きいことをアップライト、小さいことをフラットと呼びます。
身長や腕の長さなどの要素によって、人それぞれに適正なライ角があります。つまり、自分に合ったライ角を知る必要があるのです。
ライ角のアップライト
ライ角のアップライトとは、自分にとってライ角が大きく、シャフトが立っている状態です。
アップライトが大きい時のクラブヘッドは、インパクト時にトゥ側が浮き、ヒール側(ヘッドのシャフト側)だけが地面についてしまいます。
ヒール側にブレーキがかかり、トゥ側が前に出てしまうため、ボールが左方向に飛びやすくフック球が多くなります。
ライ角のフラット
ライ角のフラットとは、自分にとってライ角が小さく、シャフトが寝ている状態のことです。
フラットが大きい時のクラブヘッドは、アップライトとは反対に、インパクトした時にヒール側が浮き、トゥ側だけが地面につきます。
トゥ側にブレーキがかかり、ヒール側が前に出てしまうため、ボールは右方向に飛びやすく、スライスやこすり球が多くなるのです。
ゴルフ5でライ角を調整する料金は?
ゴルフショップでライ角の調整をする場合、料金がいくらかかるのかを見てみましょう。
ゴルフショップ名 | 料金(税抜) |
---|---|
ゴルフ5 | 300円 |
ゴルフパートナー | 300円 |
つるやゴルフ | 300円 |
1,000円以下でライ角を直せるなら、シャフトを替えたり、新しいクラブを購入するよりは、お財布に優しいのではないでしょうか。
ゴルフショップの中には、ライ角調整に1,000円以上かかる場合もあります。
ショップを訪ねる前に、事前に問い合わせすることをおすすめします。
ライ角が合っていないと、どんな影響が出る?
ライ角が合っていない場合、ボールの飛ぶ方向をコントロールできず、不安定になります。
前述したように、ライ角がアップライトであればボールは左方向に飛び、フック球になる恐れがあります。逆に、フラットであれば右方向に飛び、スライス球が出やすくなるのです。
ほかにも、ミート率が下がったり、打感が悪くなったりすることが考えられます。
ライ角が合っていないと、ボールを芯で捉えられない可能性が高くなります。すると、手に伝わる感触が硬い、または重たいと感じるでしょう。
その結果、ボールの飛距離が伸びにくくなり、スコアアップに悩むことになります。
ライ角は、ボールコントロールを安定させ、飛距離を伸ばすために重要な役割を果たす要素です。
適正なライ角に調整するメリット
適正なライ角に調整するメリットは、次の3つです。
- 方向性が安定する
- 飛距離が伸びる
- 打感が良くなる
適正なライ角に調整することで、アップライトやフラット過ぎる状態が解消され、方向性が安定しやすくなります。
方向性が安定すると、飛距離が伸びます。
フック球やスライス球は、飛距離を縮めてしまう要因です。まっすぐ飛ぶと、自然と飛距離も伸びます。
また、ボールを芯で捉えられるので、風に強いボールを打てるようになります。
打感が良くなることも、ライ角調整のメリットです。ボールを芯で捉えることができ、打感は柔らかく、軽い感じに変わるでしょう。
自分が思う方向にボールを飛ばせるようになると、ゴルフがより楽しくなります。
適正なライ角の確認する5つの方法
適正なライ角は、人それぞれ異なります。また、クラブごとに適正なライ角が違います。
なぜなら、身長や腕の長さ、シャフトの長さなどが関係するからです。
自分に合った適正なライ角を確認する方法を5つ紹介します。
- 身長に合ったライ角の目安を知る
- ショットマーカーで確認する
- ディボット跡の形を確認する
- スタンスをチェックする
- ショップで計測する
それぞれの確認方法について、詳しく見ていきましょう。
身長に合ったライ角の目安を知る
まずは、身長に合ったライ角の目安を知り、現在使用するクラブのライ角が自分に合っているかを確認してみましょう。
市販されているクラブのライ角は、日本人の成人男性の平均身長である170㎝前後を目安とした設定数値です。
そのため、身長が高い人と低い人が同じクラブを使ってアドレスしても、ライ角は自然と違ってきます。
たとえ身長が同じでも、腕の長さによって適正なライ角は変わります。
以下の表で、身長に合ったライ角の目安を参考数値として覚えておきましょう。
クラブの種類 | 目安のライ角(°) |
ドライバー | 58~60 |
ユーティリティ | 60~62 |
3番アイアン | 59.5~60 |
4番アイアン | 60~60.5 |
5番アイアン | 60.5~61 |
6番アイアン | 61~61.5 |
7番アイアン | 61.5~62 |
8番アイアン | 62~62.5 |
9番アイアン | 62.5~63 |
ピッチングウエッジ | 63~63.5 |
パター | 70~72 |
ショットマーカーで確認する
具体的には、ヘッドのフェース面のどこにボールが当たったか、ソール面のどこが地面にこすれたかがわかります。
ショットマーカーは、ドライバー用、アイアン用、パター用とクラブの種類ごとに販売されています。ゴルフショップやオンラインショップで購入可能です。
ショットマーカーの多くは、シールタイプですが、中にはスプレータイプもあります。シールタイプの場合、1枚入りから50枚以上入った大容量タイプまであります。
アイアン用は、フェース面とソール面に貼るシールが一体型となった商品がおすすめです。
おすすめのショットマーカーは、以下の商品です。
ディボット跡の形を確認する
ディボット跡とは、コースでアイアンショットをした際に、芝が削れて地面にできるへこみのことです。
ディボット跡が、アイアンヘッドのソール幅くらいの大きさであれば、アイアンのライ角は適正であるといえます。
しかし、ディボット跡が小さい場合は、ライ角が合っていない可能性があり、調整する必要があります。
ラウンドに出た際には、ディボット跡の形を確認してみてください。
スタンスをチェックする
スタンスのチェックは、平らな場所であればどこでも良いので、自宅でもできる方法です。
まず、平らな場所でクラブを持って構えます。
その際、クラブヘッドのトゥ側(先端部分)が、地面からどれくらい浮いているか確認しましょう。
トゥ側が、10円玉などの硬貨が1~2枚入るくらいの隙間であれば、適正な角度だといわれています。
ショップで計測する
これまでお伝えした方法は、自分でできるライ角の確認方法でした。
適正かどうかを数値で確認でき、適正でない場合はそのまま調整してもらうことも可能です。
ゴルフショップで計測する場合は、二木ゴルフがおすすめです。
二木ゴルフは、認定フィッターがいるほか、多くの店舗に修理の知識・技術を習得したリペア技術者が在籍しています。
気になった人は、公式ホームページから店舗情報を検索してみてください。
クラブによっては自分でライ角を調整できる
ライ角調整を自分でおこなえるクラブもあります。いわゆる「カチャカチャ」付きドライバーです。
「可変式ドライバー」や「弾道調整機能付きドライバー」ともいわれています。
ライ角以外にも、ロフト角(ボールと接するフェース面の傾き角度)やフェースの向き、重心位置なども調整できます。
アイアンのライ角を自分で調整することも可能ですが、専用の機械が必要なため、ゴルフショップなどを利用することをおすすめします。
ライ角を調整するデメリット
一方で、ライ角を調整するデメリットもあります。
それは、適正なライ角に調整することで、かえってコントロールを失い、狙い通りに飛ばなくなる可能性があることです。
自分に合っていないライ角のクラブを長期間使用していると、そのクラブに合わせたスイングの癖がついています。
すると、正しいライ角に調整しても、スイングの癖はすぐには直らないため、打球が不安定になるのです。
ライ角を調整したクラブのポテンシャルを発揮するためには、練習を重ねて、正しいスイングに調整する必要があることを理解しておきましょう。
ライ角を調整してアイアンショットの精度を高めよう
身長や腕の長さなどのさまざまな要因によって、適正な角度は人それぞれです。
ライ角が自分に合っていないと、ボールコントロールが不安定になり、飛距離が伸びにくくなります。
ショットマーカーを使用したセルフチェックや、ゴルフショップでの計測を利用し、自分に合うライ角を知りましょう。
ライ角の調整は、シャフトやクラブを買い替えるよりは安価にできますが、適正なライ角になることでかえって打球が不安定になる可能性もあります。
調整してもすぐには結果が出るわけではありませんが、時間をかけて正しい角度に慣れることで、ショットの精度は高まるでしょう。
コメント