休日のラウンドを楽しみに、日々仕事に励んでいる方も多いかと思います。
一方で、プロゴルファーとして、ゴルフを仕事として収入を得ている人たちもいます。
ゴルフのツアーの優勝賞金は、億を超えており、「ゴルフをしてお金がもらえるなんて羨ましい」と思ってしまいますよね。
しかし、多額の賞金を獲得できるような有名ゴルファーは、ほんの一握りです。他にも、無名のプロゴルファーは多く存在します。
そこで、本記事では、次の3つについて紹介します。
- プロゴルファーの平均年収
- ティーチングプロの平均年収
- 世界や国内の賞金ランキング
プロゴルファーの仕事内容や収入源
プロゴルファーは大きくわけて、ツアープロとレッスン(ティーチング)プロに分類されます。
ツアープロとは、一般の人がイメージするいわゆる「プロゴルファー」のことで、試合に出場し、上位入賞して賞金を得ています。
一方、レッスンプロは、ゴルフスクールやゴルフ練習場で、ゴルフを教えてレッスン料を得ている職業のことです。
ツアープロ
ツアープロの収入の第一は、試合に出場して得る賞金です。
賞金額は試合によって大きく変わりますが、
賞金以外に副賞があることも多く、高級車、ファーストクラス航空券などが、試合のスポンサー企業から贈られます。
また、個別に企業とスポンサー契約しているツアープロの場合は、賞金とは別にスポンサー料も収入となります。
これもツアープロ、スポンサー企業によって金額は様々です。
レッスン(ティーチング)プロ
レッスンプロは、レッスン料を主な収入源としています。
仕事内容は、ゴルフ練習場やゴルフスクールで、クラブの扱い方やゴルフスイングを教えることです。
アマチュアゴルファーを教えることが一般的ですが、なかにはツアープロを相手に指導する有名なレッスンプロもいます。
有名なレッスンプロの場合は、本やDVDの出版による収入もあります。
最近では、YouTubeでレッスン動画を公開しているレッスンプロもよく見かけますよね。
ちなみにレッスンプロは、ティーチングプロと呼ばれる場合もあります。
日本プロゴルフ協会が主催するティーチングプロ試験に合格し、資格を取得した人がティーチングプロを名乗れます。
資格がなくても人にゴルフを教えられますが、「レッスンプロ」は資格をもたない人にも使われることがあり、定義はあいまいなようです。
プロゴルファーの平均年収は800万円
ツアープロとレッスンプロ、スポンサー契約の有無、本業以外の収入など、個人によって収入の違いが大きいです。
そんなプロゴルファーですが、平均すると年収は800万円前後のようです。
ツアープロの平均年収
ツアープロの収入は、試合の賞金以外に、スポンサー契約による収入もあると説明しました。
スポンサー収入は非公開なため、集計が難しいです。そこで、ツアーで得られる賞金金額に絞って、男性女性のツアープロの平均年収を調べてみました。
男性ツアープロの平均年収は1,426万円
2022年度の男子ツアーは26試合開催され、賞金総額は32億5182万円でした。
日本ゴルフツアー機構のホームページによると、2022年度は228人のツアープロが賞金を獲得しています。
数字だけをみると高額に見えますが、この金額はあくまでも平均です。
トッププロは1億以上の賞金を得ている一方で、200位台のプロの獲得賞金額は30万円以下となっています。
参考までに、ちょうど真ん中の114位のプロの獲得賞金は、約290万円となっていました。
女性ツアープロの平均年収は2,509万円
2022年度の女子ツアーは、全部で38試合が開催され、賞金総額は44億4214万円でした。
日本女子プロゴルフ協会のホームページによると、2022年度は177人のツアープロが賞金を獲得しています。
1試合あたりの賞金額は男性ツアープロより少ないものの、試合数が多く、かつ賞金を獲得したプロの人数が少ないです。結果として、平均額では男子プロを上回ります。
なお、今回の集計では、賞金を全く獲得できていないプロは含めていません。
賞金を獲得していないプロもいるため、実際の平均額はもう少し下がるでしょう。
新人ツアープロゴルファーの年収は0?
しかし、ツアープロになっても、賞金がもらえるツアーにすぐに参加できるわけではありません。まずは、予選を突破する必要があります。
アマチュアで好成績を収め、プロに転向したツアープロをのぞいて、基本的に新人ツアープロは1年目から賞金を獲得できません。
賞金を得るのは決して簡単ではなく、給料は所属しているゴルフ場の給料のみ、ということも珍しくないようです。
ティーチングプロの平均年収
日本のサラリーマンの平均年収が450万円前後ですので、ティーチングプロの年収もおおよそ同額と考えられます。
個人のティーチングプロは、人によって年収差が大きいです。
新人ティーチングプロの年収は200~250万円
ゴルフ場やゴルフ練習場に所属している場合は、サラリーマンと同等の年収と説明しました。
日本の新卒サラリーマンの平均年収が200~250万円ですので、新人ティーチングプロの年収もおおよそ同額でしょう。
【男女別】プロゴルファーの賞金ランキング
プロゴルファーの平均収入について説明しましたが、その中でも、「トッププロ」と呼ばれる人たちの賞金獲得金額はどれくらいなのでしょうか?
各ゴルフツアーの運営団体がホームページで公開する、ツアープロの獲得賞金についてまとめました。
【世界】男性プロゴルファーの賞金ランキングTOP10
世界の地域別でいくつかのプロトーナメントツアーがありますが、ここでは、賞金額が最も高い米国ツアーをとりあげます。
2023/9/17時点での米国男子プロゴルファーの賞金ランキングです。
1 | S.シェフラー | $21,014,342 |
2 | J.ラーム | $16,522,608 |
3 | V.ホブラン | $14,112,235 |
4 | R.マキロイ | $13,921,008 |
5 | M.ホマ | $10,761,517 |
6 | W.クラーク | $10,757,490 |
7 | P.カントレー | $10,372,998 |
8 | B.ハーマン | $9,151,023 |
9 | K.ブラッドリー | $8,897,330 |
10 | X.シャウフェレ | $8,422,856 |
なお、日本から米国男子ツアーに参加している松山プロは、42位で約380万ドル(約5,700万円)を獲得しています。
※参照:Golf Stat and Records | PGA TOUR
【国内】男性プロゴルファーの賞金ランキングTOP10
次に、国内のプロゴルファーに絞って賞金ランキングをまとめました。
国内ツアーにかぎらず、海外メジャーの試合に参加して賞金を得ているプロゴルファーも含めたランキングとなります。
2023/9/17時点での賞金ランキングです。
1 | 中島啓太 | ¥100,654,179 |
2 | 金谷拓実 | ¥97,308,999 |
3 | 蝉川泰果 | ¥68,774,892 |
4 | 永野竜太郎 | ¥61,320,527 |
5 | 平田憲聖 | ¥59,063,817 |
6 | 宋永漢 | ¥57,195,502 |
7 | 今平周吾 | ¥50,076,906 |
8 | 岩田寛 | ¥49,805,542 |
9 | J.クルーガー | ¥38,932,336 |
10 | 谷原秀人 | ¥37,329,607 |
トップの中島啓太プロは約1億円、僅差で金谷拓実プロが2位につけています。
※参照:賞金ランキング | ツアー部門別データ 2023 - 日本ゴルフツアー機構
【世界】女性プロゴルファーの賞金ランキングTOP10
続いて、2023/9/11時点での米国女子プロゴルファーの賞金ランキングを紹介します。
1 | A.コープス | $2,952,832 |
2 | イン・ルオニン | $2,626,543 |
3 | L.ヴ | $2,564,131 |
4 | C.ハル | $2,292,687 |
5 | C.ブティエ | $2,185,557 |
6 | キム・ヒョージュ | $1,737,687 |
7 | 笹生優花 | $1,683,474 |
8 | コ・ジンヨン | $1,490,931 |
9 | 古江彩佳 | $1,486,620 |
10 | 林シユ | $1,484,218 |
米国男子プロゴルファーの獲得賞金にはかなわないものの、トップのA.コープスプロの獲得賞金は295万ドル、日本円にして4億円以上を獲得しています。
日本から参戦している、笹生優花プロ、古江彩佳プロがTOP10にランクインしています。
※参照:Official Money | LPGA | Ladies Professional Golf Association
【国内】女性プロゴルファーの賞金ランキングTOP10
2023/9/17時点での国内女子プロゴルファーの賞金ランキングです。
1 | 山下美夢有 | ¥147,609,500 |
2 | 岩井明愛 | ¥138,005,011 |
3 | 申ジエ | ¥128,362,277 |
4 | 小祝さくら | ¥96,087,233 |
5 | 岩井千怜 | ¥96,087,233 |
6 | 櫻井心那 | ¥82,627,375 |
7 | 吉田優利 | ¥77,448,328 |
8 | 神谷そら | ¥71,621,250 |
9 | 穴井詩 | ¥68,272,075 |
10 | 川岸史果 | ¥58,937,666 |
トップの山下美夢有プロを筆頭に、4位の選手までがすでに1億円を獲得しています。
国内では、女子プロの方が男子プロよりも獲得賞金が高く、国内での女子ゴルフの人気の高さがわかります。
プロゴルファーになるために必要な資格や実績を解説
では、そもそもプロゴルファーになるために、どうすればいいのでしょうか。
なんらかの資格が必要だろうと誰もが想像するでしょうが、「アマチュア選手がプロ宣言をした」というニュースを聞いたことがある人もいるかと思います。
特別な試験はなく、宣言をするだけでプロ資格を得られるのでしょうか?
ツアープロに必要な資格や実績
日本の男子ツアープロを例に、プロ資格の取得の仕組みを紹介します。
資格試験は、4段階で実施されます。
- プレ予選
- 1次プロテスト
- 2次プロテスト
- 最終プロテスト
最終プロテストで、上位50位までが合格ラインです。
ちなみに、2023年の最終プロテストの合格ラインは、54ホールでイーブン(±0) でした。
資格試験以外の道としては、アマチュア選手としてツアーの試合に参加することです。好成績を収めた後に、プロ宣言をするとプロになれます。
多くのトッププロが参加するツアーで好成績を残すことで、プロ同等の実力があると認められるからです。
ティーチングプロに必要な資格や実績
ティーチングプロの資格を取得するためには、日本プロゴルフ協会(JPGA)の「ティーチングプロ」資格試験を受験し、合格する必要があります。
試験は、4つに分かれています。
- 書類審査
- プレ実技審査
- 実技審査
- 最終審査
最終審査は面接と筆記試験で、筆記試験では8割以上正答すると合格です。
プロゴルファーに関するよくある質問
プロゴルファーの生活は厳しい?食べていけない?
プロゴルファーは、ツアーに参加するために高額な費用がかかるため、上位入賞できないと生活は厳しいです。
野球やサッカーのプロ選手と違い、プロゴルファーは個人事業主であるため、費用も自分で負担しなければいけません。
例えば、交通費や宿泊費、帯同キャディの費用など、さまざまな費用がかかります。
男子ツアーにフル参戦すると、年間で約1000万円はかかるといわれています。
つまり、スポンサーがいなければ、賞金で1000万以上稼げないと赤字です。
上位のトッププロ以外のツアープロは、賞金だけでは食べていくのは難しいでしょう。
賞金の手取りはどれくらい?
ツアーでの獲得賞金にも、税金がかかります。
仮に、優勝賞金が1000万円なら、約900万円が手取りです。
ツアーの賞金のほか、スポンサー契約料のようなすべての収入を合算し、活動にかかった経費を差し引いた金額に所得税がかかります。
必要経費はいくらかかる?
経費として挙げられるのが、交通費と宿泊費です。
ツアーは日本の各地で行われ、ときには飛行機や新幹線での移動費用やホテルでの宿泊代が発生します。
試合前に、会場で練習ラウンドをする場合は、このプレーフィーが必要です。試合に参加するためのエントリーフィーも発生します。
レギュラーツアーだと、エントリーフィーは約1万円です。下部ツアーになると、さらに高くなる場合もあります。
帯同キャディをつれて参加する場合は、キャディに約10万円(1試合あたり)を支払います。
試合で上位入賞した場合は、獲得賞金の5~10%が、報酬としてキャディに支払われます。
ゴルフを楽しみつつスコアの向上を目指そう
トッププロは、高額な収入を得ている一方で、大半のプロゴルファーの懐事情はなかなか厳しいようです。
プロの世界は厳しいので、私たちアマチュアゴルファーは、仲間と楽しみながらラウンドしましょう。リラックスしてラウンドに臨めば、いいスコアが出るかもしれませんよ。
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